2009年入社
YUSUKE MATSUKAWA
松川 侑資
入社した時は自動車の知識はほぼゼロで、いろんなメーカーの車名を覚えるところから勉強を始めました。私のように自動車に詳しくない者でも、経験を積んでいく中で自動車メーカーの開発者の方と対等に話せるレベルに成長できるのは、当社の教育内容が充実しているからだと思います。
私が主に担当しているのは、トヨタ自動車のコンパクトカーに関する知財戦略業務です。自動車メーカーの開発者の方と相談を重ねながら、より広い範囲で権利を得るための方法を考えていきます。せっかく苦労して新しい技術を発明したとしても、同じ技術がすでに競合他社によって出願されていたら、特許を取得することはできません。他のメーカーがどんな特許を出願していて、その特許に抵触しないためにはどう回避すれば良いのか。そういう判断を正確に行うことが重要になります。より広い権利を獲得するために、必要であればお客様に設計変更を提案することもあります。
自動車を構成するさまざまな部位の中でも、私が主に担当しているのは、ボデーに関する技術です。「ボデー」に関する技術はとても幅広く、分かりやすく言うと「外観として見えるところすべて」が対象になるというイメージです。搭載される部品もどんどん進化するので、常に新しい情報を取り入れる必要があります。
たとえば、自動車のタイヤの前に「スパッツ」と呼ばれる部材がついているのをご存じでしょうか。これは、前方から流れてくる風の流れがタイヤにぶつかるのを防ぐ部材で、適切な位置に設置することによって、風を車両の側方に流して空気が乱れるのを防ぎます。こうした「空力」に関する技術は専門的な世界なので、開発者の方から正確な知識を得ることが必要です。「この技術によってこういう“うれしさ”が生まれる」という要点を理解するために、きめ細かいコミュニケーションを心がけています。
この仕事の醍醐味の一つは、数多くのデータの中から、意味のある情報を読み取っていくことです。たとえば、競合メーカーA社がある時期に突然、エアバッグに関する特許をたくさん出願し始めたとします。データを見た時に、飛びぬけて数字が増えているところなどがあったら、注意深くチェックすることが必要です。その変化に気づくことができれば、A社の開発の方向性を読み取ることが可能になります。さらに大切なのは、それを読み取るだけでなく、自分ならではの知見を加えて有効な提言を行うことです。そうした「プラスアルファ」の役割こそ、私たちに求められるものだと思っています。
仕事においてもっとも喜びを感じるのは、普段から関わりのある開発者の方から感謝の言葉をいただいた時です。「松川さんはいつもよくやってくれますね」といった言葉で、私の仕事ぶりを認めていただけた時は、大きなやりがいを感じます。これからも自分の役割を追求し、多くの方と信頼関係を築いていきたいと思います。
最近の自分にとって一番大きな出来事は、子供が生まれたことです!
子供はまだ妻の実家にいるのですが、わが家に戻ってきて一緒に暮らすのが楽しみです。
すでにお風呂に入れたりはしています。
これから積極的に育児を行っていくつもりです。